忘年会では、一人一人の顔が稽古場での印象とは違って見えますので、その人の素敵な一面を発見出来たりします。
稽古仲間で飲む酒は、楽しいですね。
年を忘れると書いて忘年会ですが、今年一年学んだことや気付きを忘れることなく、来年の稽古につなげてゆきましょう。
恒例の秋の合宿は、今年で3回目となる九十九里です。
豊富な稽古時間を生かして、普段ではなかなかできない居合に必要な歩方や人間の骨格を生かした刀法など、古武術の合理的な動きを稽古しました。
居合では、指導員や師範、師範代の演武見本を見ながらの稽古でしたから、沢山の刺激を受けたのではないでしょうか。上手い人の動きを眼で覚えて自分の動きにそのイメージを重ねてゆくことが上達の早道ですし、自己流度も少なくなるかと思います。
合宿での楽しみは何と言っても食事ですが、美味しさとボリュームはこの宿の売りの一つです。私は毎回の食事ではおかずを全て食べられませんので、勇気をもって多少残すことに。皆さんはいかがだったでしょうか。
宴会では日本各地の蔵元から美味しそうな日本酒を取り寄せました。少しですが、今人気の獺祭も用意いたしましたが、あっという間になくなりました。さすがに皆さん美味しいお酒はよく知っています。
また、おやつやお酒を差し入れてくてた方々、大変ありがとうございました。
居想会発足からはや10年の月日が流れ、多くの収穫がありました。
熱心に居合と向き合う門人の顔を見る度に、この会を作って本当によかったと思います。また、人を育てることに献身的な指導部員の姿は誇らしく思います。居想会は、だれにでも自慢できる素晴らしい会に育ちました。
技に関しては、「現代居合から古流居合に脱却するべく様々な試行錯誤の末、現在に至る」と言ってしまえば一言で済む話ですが、実際はかなりの試行錯誤があって現在の形に落ち着いています。
そうしたなか、最も大切にした思いは、「礼に従う武術のこころ」というもので、そこから逸脱せず、武術としての居合や剣術の世界を築いてきました。
武術が途絶えてしまいそうな危機の時代は、明治9年に発せられた廃刀令もありますが、それより影響があったのは大東亜戦争の敗戦後、GHQによって武術の殿堂ともいえる大日本武徳会を解散させられたことではないでしょうか。
その後復活した剣道では、スポーツなのか武道なのかの曖昧さが生まれ、居合においては、日本独自の武術的な身体運用が軽視されてしまったように思います。
居合や剣術は本来武術でありますから、刀をどのように扱えば早く相手に届くか、そのために体のどの部分を如何に使うかを考え、導かれた理論によって合理的に身体操作を繰り返し行うことが大切であると思います。
また、武術の特徴は礼を重んじるという点にあります。居想会にも刀礼に始まり様々な作法がありますが、鋳型のような型として行うのではなく、心のこもった形として捉えるべきだと考えます。
刀礼は、刀を単に道具として扱うのではなく、それを作った人や技術の伝承に畏敬の念を持ってすべきですし、稽古の始まる前の正面への礼は無外流の流祖に対してはもちろんのこと、武術の発生から今日までに伝承してきた多くの先人へ敬う気持ちを持ってするすることが大切です。
そして、稽古を行うことが出来る環境に感謝し、日々稽古を共にする仲間に礼を持って接することで、自分の心が磨かれ、心の置き場所を作ります。
刀という武器を持って行う稽古では、礼や作法を尊び自らの体と心を鍛えてゆくことが肝要なのだと思います。
二度と来ない現在を大切に過ごし、明日を思って生きてゆくことが葉隠でいう「武士道と伝ふは死ぬ事と見付けたり」ということではないでしょうか。
居想無外流宗家:関戸光賀
今年は棒術の演武を新たに加えました。
棒という長い得物に替えて稽古することで、曖昧であった動きが修正されたりと武道的な動きに磨きがかかります。
そしてなによりも、新しいことに挑戦することは楽しいことでもあります。
刃引之形では、新たに8名の新人が参加。若い人たちが育ってゆくことは、なんとも頼もしくあります。
無外流剣法訣、一隻眼刀、小太刀の演武はかなり円熟した感もありますが、まだまだ伸び代はあります。
和太鼓:畠山貴英
薩摩琵琶:荒井靖水
二十五絃箏:喜羽美帆
表彰式では、その日優秀な演武をおこなった者、そして、1年間よく稽古に励んだ方々を表彰いたしました。
来月の演武会に向け、日々の稽古が熱を帯びてきました
。
今年からは能や歌舞伎で利用される日本橋公会堂で開催されること、そして、新たに棒術の演武も加わり、益々意気揚々です。
与えられた課題は皆さんにとって一つ上の場です。演武会まであと42日。稽古を積み重ねる日々を大切にいたしましょう。
久しぶりに女子会員の親睦会を行いました!
開催にあたりご協力頂いた男性陣各位、心より感謝申し上げます。
撫子ランチ会は20名近くの参加があり、楽しい会話と美味しいお料理で 楽しい時間はあっという間に過ぎてしましました。
今日が稽古デビューの新人さん含め、どんどん仲間も増えています。
次の居想会行事は演武会ですね、撫子パワーで盛り上げて参りましょう!
本日の撫子会は池袋稽古の後に開催しました
今年も健康で稽古を続けてゆける事を祈願し、新春稽古に望みました。
新春稽古会では稽古時間が長くとれますので、普段はあまり細かく説明できない基本的な動きを解説させていただきました。
例えば、立った状態からの膝抜きを座技で応用するにはといった、一つの基本をそれだけで完結するのではなく、いろいろなことに応用して考えてゆく、といった事などです。
これは形を学ぶ上でも大切なことで、居想会には二十本の居合形がありますが、一つの形を分離して考えるのではなく二十本を連続した一つのものとして捉える考え方を持つという事が大切です。それにより技は無限大に応用範囲が広がり、真の術として体に宿る事となります。
今年も楽しく皆さんと一緒に学んでゆきましょう。
関戸光賀